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生きる知恵? [日々のよしなしごと]

あれは、先日、天神橋筋の某老舗喫茶店でひとりコーヒーをすすっているときのことだった。

店は結構繁盛していた。ほぼ満席だったと記憶している。
私は、4人がけのテーブルを一人で陣取って、悪いなあと、ちょっとだけ思いながら、
それが喫茶店というものだ、と思い直して居直っていたところだった。

そのとき、一人の来店客が現れた。老婆だった。
伸び放題のボサボサの白髪。両手には生活用品を詰め込んだ薄汚いスーパーの袋。
アメリカでいうところの「ショッピングバッグ・レディ(女ルンペン)」だ。

老婆は、あろうことか私のテーブルに空席があるのを目ざとく見つけるやいなや、
意外なほどの勢いで歩み寄ってきたかと思うと、
そのままドスンと私の真向かいに座ってしまった。

混雑しているから、相席はやむを得まい。

しかし、老婆は、何か、私をじろじろ見ながらブツブツつぶやいている。

私は、当然のことだが、知らないフリを決め込んだ。

老婆は、その回らないロレツでもって、あんみつを注文した。

あんみつが来るや、すごい勢いで食べだした。

彼女はおかわりした。

二杯目のあんみつが来た。

彼女はわき目もふれずに食べ続け、食べ続け、そして食べきった。

彼女は、満足したのか、また私に向かって何か言っている。
関わらないことだ・・

すると、彼女はやおらノソノソと動き出し、
私にジロッと鋭い一瞥を与えたかと思うと、
あれよあれよという間に店を出て行ってしまった。

「食い逃げだ!」
と、私はあせったが、
店員は気づいているのに、彼女の後を追う様子もない。

私も騒がないことにした。
あきらめているのだろうか。
それとも、実は彼女はこの街のゴッド・マザーか何かで、払う必要などないのだろうか(まさか)。
まあいい、店のことだ。考えることはない。・・・

30分後。
コーヒー代を払おうと500円を握り締めた私に、店員は言い放った。
「コーヒーと、アンミツ2杯で1900円になります」

抗議をする私。

すると店員は狼狽し、

「お連れ様だと思っておりました・・・」

私→「んなわけなかろう????!!!!!(泣)」

アッパレな食い逃げであった。
「食い逃げの完全犯罪やー!」と言ってもよいくらいだ。

今後、何かの役にたたないとも限らないので、よく手口を覚えておくこととする。

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