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三崎 2014 [日本の町散歩(関東)]

三崎は、神奈川県三浦半島の南端に位置する漁業の町。とくに日本人の大好きなマグロの水揚げ基地として知られ、1950年代から60年代の黄金期には、全国のマグロ漁船の半数が三崎に水揚げしていたという。名実ともに遠洋漁業の中心地であり、当時は海の男たちが大挙して商店街や夜の街を闊歩したそうだ。
しかしその後、徐々に三崎の水揚げは落ち、現在の漁獲量は最盛期の4割程度にすぎない。街はすっかりさびれてしまった。商店は軒並みシャッターを下ろし、通りを歩いても出会うのは猫ばかり。だが、大海原に続く青い入り江と飛び交うカモメ、小高い丘に降り注ぐうららかな陽の光は、今も変わらない。
そして、あくびが出るくらいに静かなこの三崎の街を、ただのんびりと、気の向くままに歩く人が、いま少しずつ増えている。

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三崎の朝。向こうに見えるのは城ケ島。


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店先に並ぶカブト(まぐろの頭)は三崎の風物詩のひとつ。


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城ケ島へ渡る巨大な橋(1960年架橋)をバックに。


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いかにも海の男の家といった風情。


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三崎の街にも、ところどころに蔵が目立つ。


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漁業の街というのはたいていそうだが、三崎もまた、街が寂れているにも関わらず、うらぶれたような陰鬱な感じがまったくしない。むしろ逆で、静かであればあるほど、海の青と、降り注ぐ太陽がまばゆいくらいに気持ちがいい。
三崎の場合はそれに加え、家並みにしても、人にしても、決して田舎町とは呼ばせないような、どこか垢抜けた雰囲気があって、野暮ったさがない点も特筆される。横浜、横須賀に近いことが、この地の人に独特の洗練を与え、開化的にしているのではないかとも思う。

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カフェ「雀屋」は波止場の目の前という好立地。


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三崎の波止場にて。

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波止場に造られた産直センター「うらり」。観光客向けのマーケットである。
なお、この「うらり」のある場所に、元は本物の魚市場があった。
いまは業務用魚市場はとなりの波止場に移転している。


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大型のマグロ漁船。


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城ケ島へ渡る小さな渡船。
一度廃止されたが、復活し観光客向けに休日を中心に運行。


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大型のマグロ漁船だけでなく、近海用の小ぶりな漁船も多い。


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三崎の町もすぐ背後に小高い丘を持っており、その中腹から頂上にかけて、いくつかの寺がある。
これらを巡るのもまた、三崎の街歩きの楽しみである。

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光念寺へのアプローチ。


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光念寺へと続く階段。


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光念寺境内にて。


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光念寺と本瑞寺、二つの寺をつなぐ道は見晴らしが良い。


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本瑞寺への階段。
映画「亀は意外と速く泳ぐ」でおなじみの「百段階段」である。


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三崎下町商店街の様子。
ご多分にもれずシャッター通りであるが、マグロ料理の食事処を始め、中華料理屋、駄菓子屋など、歩いてみると現役の店もチラホラある。

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この理髪店はれっきとした現役ですよ。


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波止場に面した広場。三崎港のバス停もあるここが、三崎の中心である。


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三崎の玄関口、「三崎港」バス停。青い屋根が印象的だ。


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静かな三崎でも、ここだけは賑やかな魚屋「まるいち」。


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週末になると、マグロ料理を目当てに多くの観光客がやってくる三崎。
多くは波止場にある産直センター「うらり」を見て終わりだが、
街歩きを楽しもうとする人々も決して少なくない。


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三崎の華やかなりし頃を偲ばせる見事な看板建築も残る。



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だが、商店街の多くは店を閉ざしており、
せっかく散策にきた人々が途方に暮れている様子を良く目にする。


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それでも、また少しずつ店も増え、三崎に新しい風が吹き始めている。


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商店街に残る昔懐かしい駄菓子屋。
老夫婦二人で営んでおられるが、週末を中心になかなかの賑わいだ。


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三崎のもうひとつの入り江、北条湾。


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三崎には何故か理髪店が多い。
そのどれもが、味のある店構えをしていて魅かれる。天神町にて。


拡大すると・・
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この理髪店も素敵だ。北条湾近くにて。


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湾側から見た様子。


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三崎港バス停。
休日の午後には長蛇の列ができることも。


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バス停の目の前に立つカフェ「雀家」ふたたび。


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「雀家」の二階からの眺め。向こうに見えるのは城ケ島である。


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三崎下町商店街活性化の第一歩はこの「ミサキプレッソ」から始まった。


「ミサキプレッソ」は、商店街の空き店舗を利用して2010年にオープンしたカフェ。こじんまりした店だが雰囲気も良く、充実したイタリアンも頂ける。寂しかった三崎の町に、少しずつ今風のお店ができてゆく、その先駆けとなった店である。
上の写真の短パンの男性がオーナーの藤沢氏。三崎を中心に活動する愛らしい「かもめ児童合唱団」のプロデューサーとしても活動されている。

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<三崎港バス停>
三崎には電車の駅はない。そのかわり、町の中心の広場の真ん中に、青い屋根が印象的なこのバス停がある。ここが三崎の表玄関であり、三崎口駅方面へは1時間に3~4本と一定の本数を確保。
週末は多くの人がバス待ちの列をなす。

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<三崎東岡バス停>
少し内陸に入ったところにある「三崎東岡」バス停は、三崎のもうひとつのターミナル。近くに京急バスの車庫が控え、いかにもバスターミナル然とした乗り場があり、ここを起終点とする便も多い。

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<三崎口駅>
最寄りの電車駅はここ、京急の終点、三崎口駅である。三崎へはここからさらにバスに乗り換える必要がある。もともと、油壺や三崎方面へ延長するための単なる途中駅として計画されていた為、駅前に大きな施設はなく、そのせいか、どことなく広々として開放的な駅前の雰囲気である。電車のこの先の延伸は、諸般の事情で実現していない。

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※三崎旅おすすめ その1※ 「みさきまぐろきっぷ」
三崎へワンデイトリップを楽しもうという方に是非お勧めしたいのが、京急電鉄が販売する「みさきまぐろきっぷ」。このきっぷには、次の4つの内容がセットになっている。
  「品川や横浜などから三崎口への電車往復券」
  「三崎周辺のバスの乗り放題券」
  「三崎周辺のまぐろ料理店20数店から選べるランチ券」
  「三崎周辺のレジャー施設から選べるアクティビティ無料券」(温泉、水族館、観光船等)
このきっぷのすごいところは、その圧倒的なコストパフォーマンス。品川から乗車する場合、上にあげたすべてがセットになって3,060円(2014年9月現在)。
普通に三崎口までの往復切符を買うと1860円にバスの単純往復で600円。まぐろランチはどこも1000円以上、下手すると2000円近くするので、この時点ですでに十分以上に元がとれているが、さらにアクティビティまで付く。まぐろ料理店やグル―プ外のレジャー施設にはきちんと還元しなければならないだろうから、京急がかなり自腹を切っている計算になるが、それでも三崎の活性化を応援したいという電鉄の意気込み(?)がビシビシ伝わる素晴らしい商品だと思う。


※三崎旅おすすめ その2※ 「京急バス 海35系統」
三崎へ公共交通機関で行く場合、通常は三崎口まで電車、そこから三崎港方面へのバスで20分程度というのが一般的である。しかし、本当のおすすめは、三崎口のひとつ手前、「三浦海岸」駅で降りて、そこ始発の「海35系統 三崎東岡ゆき」のバスに乗ること!
この路線は、三崎港まで50分程度と時間はかかるが、右に左に絶景が広がる、知る人ぞ知る景勝路線なのである。バスはときにきらめく海岸沿いや干潟の脇を走り、ときに高原のごとく雄大に広がる畑地をうねうねと走り、ときに小さな集落の民家の軒先スレスレをかすめて走る。
一時間に一本程度と、本数も少ないので、事前に調べて行く必要はあるが、三崎口からのバスが週末は渋滞で動かなくなることがあるのに比べ、こちらはメインルートから外れているので一部区間を除き渋滞とも無縁で、何とものんびり気分を味わえる。

撮影:2014年8月、9月 
本文:2015年3月

















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