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パリ 2014 (2) バスティーユ / サンティエ / モンマルトル [ヨーロッパの町紀行]

パリ市はご存じのとおり市街を流れるセーヌ川によってざっと北側と南側に分けられ、北が右岸、南側が左岸である。そして、右岸と左岸では人々の気質が異なり、したがって街の雰囲気も少し異なっていると言われている。実際には右岸と左岸では右岸のほうが圧倒的に広く、ルーヴル美術館や凱旋門なども右岸側にあってメジャー感があるのに対し、左岸はパリ観光の目玉となる場所は少ない。(だからこそ左岸はいい、という話になるのだが、それは次の(3)で・・・)

本項(2)では、この広くバラエティ豊かな右岸の街の中で、バスティーユ、サンティエ、モンマルトルの3つのエリアをピックアップして歩いてみた。私にとっても今回は3度目のパリ。世界じゅうの人々を集める王道の観光地ではなく、なるべくパリの素顔に触れられる場所を探して歩いてみたつもりだが、その成果やいかに?
エッフェル塔もシャンゼリゼも出てこない右岸散歩だが、しばしお付き合い願いたい。

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◎バスティーユ

バスティーユは、飾り気の少ない堅気な職人の街。とくに家具職人が多く集まることで知られ、サン・タントワーヌ通りを中心に、その両側にチョロチョロと延びる無数の路地や袋小路には木工、塗装など多くのアルチザン達の工房がひしめいていたという。その数は年々減少してはいるもののまだまだ健在。空いた工房もショップやデザイナー達のオフィス等として再活用され、路地ひとつひとつの表情をより多彩で魅力あるものにしている。最近では表通りにも裏通りにも新しいカフェが増え、若者にも人気の街となっているという。

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表通りのフォブール・サン・タントワーヌは、飾り気もなく雑然とした印象


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・パサージュ・デュ・シュヴァルブラン

バスティーユの表玄関、バスティーユ広場から秘密の入り口を抜けて裏へ続いている広めの路地がパサージュ・デュ・シュヴァルブラン。表玄関近くとあって、木材問屋のオフィスやショウ・ルームなどが並び、最近ではWEB関連ビジネスのオフィスも増えているらしい。ビジネス色の強い雰囲気の中、関連業者や職人が闊歩している。

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表通りに面した建物にはどこかに抜け穴があって、
覗いてみると奥へ小路が続いているのである


・パサージュ・デュ・シャンティエ(シャンティエ小路)

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シャンティエ小路への入り口もトンネルになっている


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トンネルの内側から大通り(サン・タントワーヌ通り)を見る


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マルシェ・ダリーグル(アリーグル市場)

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アリーグル市場の「場内」の様子。
時間が外れているためか「場外」の市場のほうが賑やか


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・パッサージュ・ド・ラ・マン・ドール(マン・ドール小路)

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小路の入り口から表通りをみたところ


・パッサージュ・ド・ラ・ボン・グラン(ボン・グラン小路)

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・クール・ド・レトワール・ドール(エトワール・ドール広場)
「クール」は「広場」と訳すしかないが、袋小路のような中庭のようなところ

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カフェやバーが並ぶシャロンヌ通りへ・・

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・パッサージュ・ロンム(ロンム小路)
シャロンヌ通り沿いの建物の抜け穴から入り、ルドリス・ロラン大通り方面へ抜けられるロンム小路。椅子の皮張りや骨組みの職人たちの工房がいまも現役で、昔ながらのバスティーユ=職人街の雰囲気をよく残す通りと言われる。

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再びシャロンヌ通りへ。空を覆っていた分厚い雲が切れ、日が差してきた。

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シャロンヌ通りの顔、ポーズカフェ。
セドリック・クラピッシュの出世作である「猫が行方不明」にも登場した。
同映画は1996年の作であるが、付近一帯が舞台となっており
当時のバスティーユの雰囲気を知ることができる。


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日が射してきたパサージュ・デュ・シュヴァルブラン


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シャンティエ小路も、日が当たるとまた表情を違えて見せる


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ふたたび、サン・タントワーヌ通りに戻ってきた。

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◎サンティエ

サンティエ地区は、パリの船場である。パリ・モードは世界的に有名だが、その華やかなファッション業界を支える、まさに舞台裏にしてパリの本当の心臓部ともいえる地区。生地屋、仕立屋、卸問屋など、多忙で雑多な感じを受ける街は、インド系や黒人など、歩く人種も様々で、ひとむかし前まで娼婦まで集まってくることでも知られていたらしい。
ここでは、メトロのエティエンヌ・マルセル駅を起点に、サンティエ地区を横切り、モントルグレイユ市場を経てパリの古き良き時代を彷彿とさせるアーケード付パッサージュの集まる地区へと向かうことにした。

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パリの新しい交通手段「ヴェリブ」(レンタサイクル)に乗る人々。
市内なんと1500か所以上の貸出ステーションがあり、乗り捨てもOK。
パリジャン、パリジェンヌ、そして観光客の足としてすっかり定着した。


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また、趣きのありそうなパサージュ(小路)を見つけた。

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パサージュ・ドュ・ランクル


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ランクル小路の出口。


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さて、いよいよサンティエ地区。

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・パサージュ・デュ・ケール
サンティエの中心近くにある狭いアーケード街。モード関係の卸売業者が入居し独特の雰囲気だが、狭い通路、ぼんやりした光など、どことなくひと昔前の、日本の公設市場のような古錆びた感じがする。やはりフランスでもファッション産業の空洞化が進んでいるのだろうか。

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・マルシェ・モントルグエイユ
マルシェ・モントルグエイユは、サンティエからほど近いところにある通りで、市場というよりは商店街であり、食品を扱う店が多いことで知られる。カフェも多く、そぞろ歩きが楽しめる。

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ワインバー「ル・リュビ」
もちろん昼間から開店中


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私も一杯。


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パサージュ・ジュフロワの入り口。
表側の建物はホテルになっている。


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パサージュ・ジュフロワを入ったところ。まずは建物を抜けるトンネル。


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上の写真とは逆にトンネルの内側から入り口方面を見る。


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パサージュ・ジュフロワは途中で鍵状に一度屈曲していて、
最初の突きあたりに有名なプチホテル「ホテル・ショパン」がある。


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鍵曲がりを過ぎたあたりからは書店が多くなる。


通りはそのまま「パサージュ・ヴェルドー」に名前を変えて、北へとつづく。
「パサージュ・ヴェルドー」のほうがカフェやバーが多い。

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パサージュ・ジュフロワ近くにある老舗大衆レストラン「シャルチエ」の入り口。


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「シャルチエ」で夕食。一人でも問題なかった。


今度は、パサージュ・ジュフロワの南に続く「パサージュ・パノラマ」へ。

このあたりはアーケード付きのパサージュが本当に多い。
19世紀、当時パリの中心的な繁華街であったこのあたりでは、各通りの商店主たちが競ってアーケードをつくり、独特の景観を生み出していったという。20世紀に入ると、人々は時代の先端をゆく「百貨店」なる商業施設へと吸収されてしまい、すっかり落ち着いてしまったパサージュたちだが、アーケードの形状はもちろん、床面や照明のデザインなどはパサージュごとに異なり、古き良きパリの雰囲気を知るのにまたとない場所であろう。

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◎モンマルトル

モンマルトルの丘は、パリの北端に位置する小高い丘。もとはパリ市ではなく、郊外の独立した村であり、ブドウ畑と風車がその風物詩であったという。だがこの地の名を有名にしているのは、19世紀中ごろ以降、芸術家たちがこぞってこの地に住み、創作活動を行うようになったことだろう。ピカソ、ゴッホ、モディリアーニ、ユトリロ、ロートレック等、パリ出身の画家もそうでない画家も、モンマルトルの安アパートの一室に住んで絵を描き、お互いに交流を持ち、影響を与えあった。
現在のモンマルトルは、びっしりと建物が立ち並び、世界中からの観光客で日々ごった返している。なるべくそういう場所を避けて歩いてみたら、丘を取り巻いて吹く風がとても心地よかった。

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モンマルトルの中心、アベス広場。
緑に囲まれた村だった頃も、ここが村の中心だったのだろう。


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いまもモンマルトルにわずかに残るブドウ畑。
モンマルトル産のワインというのもあるらしい。


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撮影:2014年5月
本文:2016年4月


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