松崎 2016 [日本の町散歩(中部)]
西伊豆の小さな港町、松崎に吹く風はとても心地が良い。三方を山に囲まれた静かな入り江、明るい漁港、美しい砂浜の海岸線。ゆるゆると流れる川辺には、昔ながらの風情を残す鄙びた路地が続いている。単なる漁師町ではなく、西伊豆地方の中心地として物資が集散した場所であり、それだけに多くの商家建築が残されているも嬉しい。この地域の特色のひとつであるいわゆる「なまこ壁」を残す建物も多く、それらを見て歩くのも楽しみのひとつ。さらに、松崎の生んだ名工、入江長八の漆喰鏝絵の数々をナマで見られるのも嬉しい。巧みに芸術性を盛り込みながらも、あくまでも実用本位の、左官としての職人芸がベースとなったその至芸こそ、松崎という素朴で伸びやかな町の性格をよく現わしているのではないかと思われる。これでもう少し、街に活気があれば云う事はないのだが・・
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再び那賀川を渡り、右岸に戻る。
ときわ大橋のたもとに戻り、海岸方面を向かう道(銀座通り)を引き続き歩く。
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再度、まちなか散歩と行こう。
港近くの入り組んだ路地を歩いてみる。
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再び、町の中心である「ときわ大橋」へ。
こんどはときわ大橋を渡り、那賀川の左岸(東側)を歩いてみることにする。
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朝の松崎海岸。
海水浴場沿いに国民宿舎「まつざき荘」をはじめ数軒の宿が並ぶ
海水浴場沿いに国民宿舎「まつざき荘」をはじめ数軒の宿が並ぶ
やや北側を臨む。今は陸続きとなった小さな「弁天島」が見える
海岸近くでは松並木がところどころに残る。
すぐ裏手の通り。
さつま揚げの美味しい「はやま」
松崎港に出て来た。
正面の建物に「ぎょきょう」と書かれているのが面白い。
正面の建物に「ぎょきょう」と書かれているのが面白い。
モネの絵のような静かな入り江。
日本にもこういう風景があったのかと思う。
日本にもこういう風景があったのかと思う。
向こう岸に見える倉庫のような石積みの建物群が興味を惹く。
港の理髪店。
少し歩くと、早くも「なまこ壁」の塀と土蔵が(依田邸)。
松崎らしい風景だ。
松崎らしい風景だ。
那賀川を渡り左岸に行くと、牛原山が迫ってくる
再び那賀川を渡り、右岸に戻る。
この橋はときわ大橋といい、欄干がなまこ壁になっている。
まるで入り江のような那賀川の流れ。
渡り終えたところに時計台がある。その裏が、物産品の販売もある旧中瀬邸。
通りを挟んで左側の建物も、重厚ななまこ壁だ(小原邸)。
通りを挟んで左側の建物も、重厚ななまこ壁だ(小原邸)。
旧中瀬邸。明治時代建築の商家であるという。
こちらは小原邸。
海辺ということもあってか、かなり重厚なつくりである。
海辺ということもあってか、かなり重厚なつくりである。
少し離れて見た小原邸。
ときわ大橋のたもとに戻り、海岸方面を向かう道(銀座通り)を引き続き歩く。
商店街のようになっており、かつてのメインストリートだった雰囲気だ。
横丁となる路地の奥にもお店が見える。
気持ちの良い朝の松崎散歩。
商店街は、途中大きく曲がって今度は海岸沿いに続く。
江奈浜通りとも呼ばれ、いまも銀行や理髪店等が残る。
江奈浜通りとも呼ばれ、いまも銀行や理髪店等が残る。
商店街のすぐ向こうは海岸沿いの松並木である。
裏通りの表情。
再び、海岸エリアに戻ってきた。
松並木あたりは宿も並び、ちょっとしたリゾートの雰囲気。
松並木あたりは宿も並び、ちょっとしたリゾートの雰囲気。
海水浴場から松崎港方面を見る。
岩の多い弁天島からみた松崎港。
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再度、まちなか散歩と行こう。
右は磯料理の「民芸茶屋」。左は母体の「豊崎ホテル」である。
松崎港の奥にある船溜まり。
松崎港に突き出た瀬崎稲荷。
対岸の石積み倉庫、再び。
この石は「伊豆石」と呼ばれる、火山活動が生んだ軽石の一種。
戦前までよく産出されていたという。
この石は「伊豆石」と呼ばれる、火山活動が生んだ軽石の一種。
戦前までよく産出されていたという。
港近くの入り組んだ路地を歩いてみる。
住宅街の路地にさりげなく鮮魚店があったりするのはさすが松崎。
(川崎鮮魚店)
(川崎鮮魚店)
朝の散歩でも見かけたこの黄色い屋根の建物がまたどこか魅力的。
すぐ右側にあるこの建物も何かいわくありげである。
表通り(銀座通り)の洒落た写真店(中村写真館)が覗く。
銀座通りの様子。ところどころに営業店舗がある。
ダイマル化粧品店。こちらもどことなく洒落た店構え。
銀座通りから続く、江奈浜通りの表情。
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再び、町の中心である「ときわ大橋」へ。
振り返ると銀座通り。
ときわ大橋たもとの青果店「長沢商店」は現役だ。
角のなまこ壁「小原邸」再び。川べりに建つ。
向かいの「旧中瀬邸」より小原邸を臨む。
昭和な表記で「レコード」「ステレオ」「電器」「楽器」「電化製品」と書かれている。
昭和な表記で「レコード」「ステレオ」「電器」「楽器」「電化製品」と書かれている。
こちらは旧中瀬邸。明治時代の建築で、現在は資料館兼特産品の売店。
右に時計塔が建っている。
右に時計塔が建っている。
旧中瀬邸と、このあたりのランドマークである時計塔。
非常に重厚感のある蔵だ。
地域物産の展示・販売も行っている
休憩・喫茶スペースも確保されているのも有り難い。
旧中瀬邸の庭。
こんどはときわ大橋を渡り、那賀川の左岸(東側)を歩いてみることにする。
那賀川の左岸裏手の路地。
路地ネコ発見。
路地ユリ発見。
やや広い通りに出て来た。
こちらは中宿通り。左岸地区の中心となる通りである。
こちらは中宿通り。左岸地区の中心となる通りである。
今の中宿通りは住宅街だが、どことなく洋風の趣ある建物が多い。
こちらの旧近藤邸も立派ななまこ壁。
旧近藤邸の南側の壁は、一面のなまこ壁で特に見ごたえがある。
こちらのお宅は、門塀がなまこ壁。
こちらのお宅は、こじんまりしているが家屋全体がなまこ壁。
再び那賀川を渡って右岸へ。
河口近くにかかる「浜丁橋」だ。
河口近くにかかる「浜丁橋」だ。
那賀川河口付近。右へゆくと松崎港。
どことなく日本離れした、ヨーロッパのような光景だ。
どことなく日本離れした、ヨーロッパのような光景だ。
右側に続くなまこ壁の塀は、依田邸のもの。
浜丁橋たもとの依田邸。
先へ進むと松崎港だ。
時間を変えて見るとまた少し違った表情になるのが面白いところ。
海岸沿いの松並木の道。
午後の江奈浜通り。
通りに面した「中江医院」のファサード
江奈浜通りの北端の「石田邸」もなまこ壁で残る。
那賀川方面へ路地を抜けてゆく。
奥に見えるのは「春城院」。
ここにも長八の作品があるという
ここにも長八の作品があるという
那賀川沿いの道
松崎の雰囲気に溶け込んだ対岸の「御宿しんしま」。
長八の鏝絵がこちらにも残る。
長八の鏝絵がこちらにも残る。
再び、左岸に渡る。
浄感寺。「伊豆の長八」の迫力ある鏝絵のある本堂天井が見どころ。
長八の菩提寺でもある。
長八の菩提寺でもある。
中宿通りにある「伊豆文邸」。明治時代創業の呉服店であったという。
現在は松崎町が買い取り、無料の休憩所として内部が開放されているのが有り難い。
ただ本来通り店舗や住居といった民間が利用するものではなく
町が買い取るしかないという現状は、それはそれで複雑である。
ただ本来通り店舗や住居といった民間が利用するものではなく
町が買い取るしかないという現状は、それはそれで複雑である。
伊豆文邸内部。
呉服店であった往時を偲ばせる店蔵部分。
呉服店であった往時を偲ばせる店蔵部分。
建物を出ると、中宿通り。
ときわ大橋。
また、松崎港にやってきた。
左が国民宿舎「まつざき荘」
「まつざき荘」室内にて
撮影:2016年9月
本文:2021年5月
本文:2021年5月
2017-07-22 00:42
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