神戸 2017 (3) 北野界隈 [日本の町散歩(近畿)]
キネマの月が巷に昇る春の夜、稲垣足穂が友人とたどった「カラクリのような小路」は、北野の小路であったろう。外国人たちの居留地だった戦前、戦後の頃まで、北野には200棟以上の洋館があった。スミレのような西洋の少女が行き交った時代はすぎて外国人達は北野を去り、神戸を去り、洋館は朽ちていった。残された30の洋館は、ほとんどが観光用に変化してしまった。
1980年代から90年代、北野は格好のデートコースとなり、オシャレな店がたくさん出来た。山本通りはスポーツカーに乗った若いカップルで鈴なりだったという。しかし、そんな時代を象徴する名店ジャン・ムーランも、ジャック・メイヨールも、今はない。
すっかり落ち着いた今の北野。それでも通りを歩けば外国の血が混じった子供達とすれ違うし、北野坂や山本通りは、やはり眼も覚めるように垢抜けている。ちょっと大きめの家だと思うと、中国人や西洋人の表札がかかっていたりする。修復の進んだ「異人館」を巡るのも良いが、その裏に隠れている路地を抜けて外国人たちによって彩られた北野の歴史に思いを馳せたりする。またこれからが楽しみな、北野である。
1980年代から90年代、北野は格好のデートコースとなり、オシャレな店がたくさん出来た。山本通りはスポーツカーに乗った若いカップルで鈴なりだったという。しかし、そんな時代を象徴する名店ジャン・ムーランも、ジャック・メイヨールも、今はない。
すっかり落ち着いた今の北野。それでも通りを歩けば外国の血が混じった子供達とすれ違うし、北野坂や山本通りは、やはり眼も覚めるように垢抜けている。ちょっと大きめの家だと思うと、中国人や西洋人の表札がかかっていたりする。修復の進んだ「異人館」を巡るのも良いが、その裏に隠れている路地を抜けて外国人たちによって彩られた北野の歴史に思いを馳せたりする。またこれからが楽しみな、北野である。
撮影:2017年5月
2018-01-20 19:28
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