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佐原 2013 [日本の町散歩(関東)]

利根川のほとりに位置し、江戸時代の昔から、利根川舟運の中継地として栄えた佐原には、今も当時を偲ばせる古い町並みが残っている。市内を流れる小野川(利根川の小さな支流)に沿ったエリアはとくに有名で、ここを歩くと、河岸として賑わった往時の有り様が目に浮かぶし、香取街道沿いにも古い商家が数多く残っているのがみられる。
だが、佐原の特徴は、こうしたかつての古い町並みが、今のそのまま生きていると感じられることである。公の手によってテーマパークのように並べたてられたり、入り込んできた若い人たちによって修復再利用されているのでもなく、書店は書店のままに、旅館は旅館のままに、荒物屋は荒物屋のままに、佃煮屋は佃煮屋のままに、数百年のときを越えて立派に営業を続けているところが多いのだ。

時代がどんどん移り変わりゆく中、こうした家業を続けてゆくには並々ならぬ努力が必要である。佐原には、そうした気骨と誇り、そして助け合いの精神とを持ち合わせた、独特の風土があるように思われる。

今は舟の行き交うこともない利根川のほとり、かつての商都は、いまも商都のままに、静かに息づいている。

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流山 2013 [日本の町散歩(関東)]

千葉県流山市は、現在ではつくばエクスプレス線の「流山おおたかの森」駅を中心に新たな宅地開発が進み、住宅都市というイメージが強い。流山市役所のホームページを見ても、「都心から一番近い森の町」という謳い文句が一番に掲げられ、自然が多く残された住環境であるとアピールしている。コンピュータ制御のハイテク電車に乗って実際に「流山おおたかの森」駅に降り立つと、駅前には真新しい大きなショッピングセンターやよく整備されたロータリー等があって、街づくりもたけなわといったところ。

だが、本来の流山の町は、そんな今をときめく「流山おおたかの森」駅から3キロ以上離れた江戸川のほとりに、ひっそりとあった。江戸時代から江戸川の舟運における主要な集散地となり、そしてみりんや日本酒などの名産地としても全国に聞こえた流山。商家や蔵が並んだその古い流山の町が、今は当の流山市民からも顧みられることなく、辛うじて息づいている。
そして、そこには大正時代、豊かだった流山の町民達がお金を出し合って敷いた、小さな地元電車がいまも現役で走っていた。

本当は東京から一番近い、むかし町。それが流山なのである。

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レゴン(熱貢)(同仁) 2013 (2) [アジアの町紀行]

レゴンの町の周辺地域は、チベットでも有数の仏教美術の里であると、先に書いた。
とくに、ロンウォ河に沿って開けた狭い盆地にあるセンゲション、ゴマル、ニェントホ、カサルの4つの村にはそれぞれ由緒正しきゴンパ(寺院)があり、その周辺にアーティストが多く住んで、創作活動に励んでいるという。
レゴン滞在二日目は、レゴン市内からロンウォ河のほとりを上流方面に歩き、郊外にあるニェントホ、ゴマル、センゲションの村を訪ね、その雰囲気を楽しんでみた。

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センゲションの村(五屯上村)


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