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桐生 2015-16 (2)市街周縁 ~ノコギリ屋根をめぐる [日本の町散歩(関東)]

さて、桐生というと織物工場。桐生の織物工場の特徴といえば、何といっても「ノコギリ屋根」である。
工場そのものが木造であれ、レンガ造りや大谷石造りであれ、はたまた鉄筋コンクリート造りであれ、その屋根はどれもノコギリの刃のようにギザギザの形状をしている。その目的は手織物の諸作業に欠かせない均一な採光を得ることで、主に直射日光の入らない北側に多くの窓を設けるための、構造上の工夫であった。
明治期以降市内のあちこちにノコギリ屋根の工場が出来たそうだ。桐生の織物は基本的に多品種少量生産であり、それぞれの工場の規模は小さいが、それゆえにいまも200棟以上が残存しているという。飲食店やギャラリー等に再利用されているものが多いが、現役の織物工場として操業を続けているところもある。
明治以来の産業遺産ともいえるこうした小さなノコギリ屋根の工場は、外から見ているだけでも何やら愛らしい感じがして、あれこれ見て回りたくなる。街の周縁部に点在しているため、駅でレンタサイクルを借りてめぐるのが最上の方法であろう。

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桐生 2015-16 (1) [日本の町散歩(関東)]

桐生という街の気持ち良さは、いったいどこから来るものだろうか。
赤城山から吹き下りてくるさわやかな風によるものか、はたまた江戸期以来の織物産業の都としての誇りと洗練がもたらすものか。
江戸期からの伝統的な建物が多く残る本町1・2丁目(伝建地区)だけでなく、ビルが並ぶ大通りも、うらぶれた歓楽街跡さえも、桐生という街はなぜか歩いてすがすがしい気分させてくれるところである。ほどほどに大きく、近代化された街には、かつての栄華の名残でもある瀟洒な建物も多く、全体的にどことなく垢抜けた感じがして、田舎町とは呼ばせない雰囲気があるのだ。
全国的に織物産業が斜陽化して久しいが、ここ桐生では、現役で操業を続ける織物工場がまだいくつも点在するのも嬉しい。少し町はずれに行くと、昔ながらのノコギリ屋根の工場から「カタタン、カタタン、・・・」とどこか懐かしい機織りの音が聞こえてくる。
ひもかわやソースかつ丼といった名物も多く、まことに愉しい桐生の街歩きである。

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