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東京<目白> 2016 [日本の町散歩(関東)]

目白は隣町である。東京には都心を少し離れたところにセレブタウンがいくつかあるが、駅前に学習院がある目白もその一つ。通りにはチェーン店も増えてきたが、それとなく洒落た店も点在する。肩肘はったところやトンがったところがないのが目白の魅力。良くも悪くも、大人の街である。
私は椎名町での下町生活を愛しているが、たまにはハイ・ブロウな風に吹かれてみたくなる。そんな時は、眼と鼻の先にある目白界隈をうろつくことにしている。29ある山手線の駅の中で、他の線との接続や乗り換えがないのは新大久保、鴬谷と、この目白だけ。基本的には地元民の為の街であるということが、必要以上の背伸びをしない、落ち着きを街に与えているのであろう。

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黒石 2016 [日本の町散歩(東北)]

弘前から直線距離で15キロ、郊外電車に揺られてわずか30分の距離にあるのが黒石。弘前に本藩があった津軽藩の支藩が置かれた地であり、弘前同様に「こみせ」もあれば「ねぷた」もあるという、まさに弘前とは兄弟のような関係の町である。「こみせ」は雪深い地方ならではの、歩道に設けられたアーケードのことであるが、弘前のそれがいかにも現代的なのに対し、黒石の「こみせ」はズバリ、江戸時代からのもの。まとまった形でそれが残っているのは、全国的にも黒石のみという貴重さである。
古めかしい木造のアーケードが続く風景を求めて、弘前からのプチトリップを敢行した。

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弘前 2016 [日本の町散歩(東北)]

弘前は云わずと知れた津軽地方の中心都市。だが、この街がこんなに垢抜けた、すがすがしい都会であるとは、正直想像していなかった。
もとは津軽藩の城下町であった弘前ゆえ、もちろん弘前城や武家屋敷群が観光の目玉である訳だが、明治、大正期に建てられた多数の洋館が今なお残るのもまた、弘前の魅力である。
明治以降は東奥義塾の設立をはじめ、学術文化の都を目指して外国人教師を多数招聘した弘前。どこかオープンで進歩的な風が、ずっと時代がくだった今も、なお弘前の町を包んでいるように思われる。洋館めぐりの楽しさもさることながら、フランス料理店やカフェの多さはすでに良く知られているし、街ゆく人のファッションにもこの地ならではの洗練が感じられる。
そして、空を見上げればどこからでも見える、たおやかな岩木山。漂ってくる、ほのかなりんごの花の香り。
こんな弘前を私が歩いたのは、五月の良く晴れた日であった。

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