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内子 2017 [日本の町散歩(中国・四国)]

愛媛県南予地域にある内子(うちこ)もまた、いち早く町並み保存を進め、街おこしに成功した町のひとつとして知られる。ここは城下町や宿場町ではないが、地の利に恵まれ、江戸期から明治にかけて、和紙、そして特に木蠟の生産地として栄えた歴史がある。内子産の木蠟は全国シェアの3割を占め、品質の高さから海外へも輸出される等し、町衆は大いに財をなしたという。しかしその後は鉄道や道路の幹線から外れたこともあり、ひっそりと低迷する時代が長く続き、観光にも縁がなかった。その内子の町が、年間50万人を超える観光客を迎えるまでになったのは、やはり護国・八日市地区の見事な町並み保存、修景によるところが大きいだろう。
内子の面白さは、これらの見事な町並みに、和ろうそく、鉄工芸(蝋台)、竹工芸、棕櫚工芸、行燈(和紙)、染め物、鏝絵など、内子の過去にルーツを持つものも持たないものも含めて、ニッポンの手仕事の担い手たちが、ポツポツと入居していっている点である。若い人も含めて実際に職人自体が町に移り住み、工房を持つというこうした動きがもう少しまとまったものになれば、内子は多彩な伝統工芸文化の集積地として、生きた産業の町に返り咲くことになるのだが。

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