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神戸 2017 (4) 神戸駅からハーバーランド、そして新開地方面へ [日本の町散歩(近畿)]

三宮よりはるかに地味だが、神戸には神戸駅もある。そして新開地から湊川、東山商店街に至る比較的大きな商業集積が、その近くにある。今は「B面の神戸」等と言われ、観光でもあまり取り上げられないこの商店街こそ、戦前は神戸の中心と云われた大繁華街だったエリア。そもそも神戸という町がなかった頃、この辺りには兵庫の港があるきりだった。近代になって、布引の滝の下に外国人向けの神戸の港と街が造られ、鉄道が敷かれた時、「神戸駅」は折衷案で旧来の兵庫地区と新興の神戸地区の中間に設置されたのだという。そしてやはり兵庫と神戸の中間の新開地・湊川地区に、庶民が集まるようになった。
しかし昭和以降、神戸港の勃興とともに繁華街の比重はより神戸側へ、つまり東へ移動してゆき、元町、そして高度成長前夜の頃から完全に三宮へと移った。いまは残照のようにレトロな趣きを湛えるエリアとなったが、アートヴィレッジセンターが出来たり、洒落たゲートモニュメントがあったりと新しい動きもあって、湿っぽくはならないのが神戸流。なによりも、神戸人の台所といわれる東山商店街の賑わいは、いまもピカ一。南に造成されたハーバーランドも、成績はいまひとつと言われながらも、風景としては定着してきている。

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神戸 2017 (3) 北野界隈 [日本の町散歩(近畿)]

キネマの月が巷に昇る春の夜、稲垣足穂が友人とたどった「カラクリのような小路」は、北野の小路であったろう。外国人たちの居留地だった戦前、戦後の頃まで、北野には200棟以上の洋館があった。スミレのような西洋の少女が行き交った時代はすぎて外国人達は北野を去り、神戸を去り、洋館は朽ちていった。残された30の洋館は、ほとんどが観光用に変化してしまった。
1980年代から90年代、北野は格好のデートコースとなり、オシャレな店がたくさん出来た。山本通りはスポーツカーに乗った若いカップルで鈴なりだったという。しかし、そんな時代を象徴する名店ジャン・ムーランも、ジャック・メイヨールも、今はない。
すっかり落ち着いた今の北野。それでも通りを歩けば外国の血が混じった子供達とすれ違うし、北野坂や山本通りは、やはり眼も覚めるように垢抜けている。ちょっと大きめの家だと思うと、中国人や西洋人の表札がかかっていたりする。修復の進んだ「異人館」を巡るのも良いが、その裏に隠れている路地を抜けて外国人たちによって彩られた北野の歴史に思いを馳せたりする。またこれからが楽しみな、北野である。

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神戸 2017 (2)元町駅から旧居留地、メリケンパーク方面へ [日本の町散歩(近畿)]

三宮を神戸の表の顔というなら、元町界隈は神戸そのものといっていい。開港以来の目抜き通りである元町商店街周辺には風月堂、ユーハイム、ファミリア等名だたる神戸ブランドの本店がいまも軒を連ねているし、欧米系外国人たちのオフィス街であった旧居留地は、一時さびれていたが、クラシックビルの修復や再利用が進み、いまや山手の北野を凌ぐ観光地ともなっている。南京町から栄町通り、そして乙仲通りに至る界隈は、かつて怪しげな零細貿易会社や船員バーがひしめく、最も神戸らしいエリアだった場所。いまは所々に面影を残すだけだが、そのかわりに、小さくても個性的で垢抜けた、神戸らしい雑貨屋や服飾店があちこちに入るようになった。150年前の開港以来、港を通して様々なものを取り入れ、堆積してきた神戸という町のフィルターの役目を果たしたのはこの元町であり、そのしたたるばかりのエッセンスが、今も元町界隈にはたっぷりと残されているのだ。・・・うんちくはそれくらいにして、元町駅からさあ、歩き出そう。

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神戸 2017 (1)三宮駅からトアロード、花隈方面へ [日本の町散歩(近畿)]

大阪近郊に生まれ育った者として、どうしても神戸という町には憧れの感情がある。大阪、奈良、京都は地元と言える私だが、こと神戸にだけは拒否され続けてきた。かつて神戸の学校を受験したが不合格をくらい、神戸の女性に告白したがフられ、神戸の露店で並んだが私の目の前で品切れとなった。そんな私がこの度、ようやく神戸に関わりを持つことができた。東京から関西に戻った際に得た職場が、神戸のホテルだったのだ。私はフロントマンとして一躍、神戸について語り、案内する立場となった。
久しぶりに見る神戸。食べ物はバラエティに富んで美味しく、女の子はやはり洒落ている。そもそも服装の色使いが違う。電車に乗っていても、京都あたりでは緑や茶色のくすんだ色の服を着た地味な娘ばかり。おかげで、春だというのに車内の空気もどんよりしているが、神戸に近づくにつれて、水色やらレモンイエローやらといったキレイな色遣いをうまく取り入れたカワイコちゃんたちが増え、車内は溌溂として行く。
そんな神戸の町を、よそものの私はやはり素敵だと思うし、歩けばやはり浮き浮きとした気持ちになる。今回から4回に渡って、そんな神戸の町歩きの記録を公開させて頂こうと思う。

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