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信楽 2017 [日本の町散歩(近畿)]

信楽は言うまでもなく、奈良時代から連綿と続くやきものの里である。笠をかぶり、徳利と通帳を持ったタヌキの置物が有名だが、それだけではなく、温かみのある火色を特色として、この地のやきものは多種多様の発展を遂げてきた。生活に根付いた甕、傘立て、火鉢といった大物の生産では全国トップシェアを守ってきたし、食器や人形などの小物でも個性的なものづくりが行われている。また、茶器、花器等で京文化の一端を担ってきたという側面も見逃せない。山あいの小さな町をめぐれば、方々から聞こえるろくろの音、立ち上る焼成のけむり。道端には製品、作品が無造作に積まれたりしていて、まさに町じゅうが製陶一色という感じだ。関東の益子のように道路沿いにずらり並んだショップに買い物客がつめかけ・・ということはないが、そのかわりに、あちこちに散らばっている窯元までじっさいに訪ねて歩いて回れるのが信楽の良さ。多くの窯元はギャラリー、ショップ、カフェ等を併設していて気軽に入っていけるし、製作現場の見学ができるところも多い。製作者本人と話しながら品定めができるなんて、最高ではないか。歩いていると埋もれかけた古い登り窯を発見したりもして、なかなか楽しい。

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篠山 2016-2017 [日本の町散歩(近畿)]

秋のひと日、丹波篠山(ささやま)の街を訪ねると、「日本の田舎に元気がない」などという言説は嘘だったんだと、嬉しくなる。通りをそぞろ歩く、人の数のなんと多いことか! 人々のお目当ては、枝豆、黒豆、栗、松茸、そして、山の芋。冬になれば解禁される名物の「ぼたん鍋」(猪肉鍋)。。。こうした丹波の里山がもたらす食の恵みが、この町に豊かさとに賑わいをもたらしている。通りを見渡しても、シャッターを下ろしている店はほとんどない。昔ながらの大衆食堂、呉服屋、履物屋、果物屋、玩具屋・・・いずれも現役で軒を並べている。
それだけではない。古い町並みを残す河原町地区を中心に、おしゃれで個性的なお店が続々と誕生している。カフェ、雑貨屋、ベーカリー、ワインショップ、ゲストハウス等、いずれも外部からやって来た人々によるものだが、こうした動きが連続するのは、移住者の新規開業を容易にするスキームを作り上げた地元の仕掛人(オジサン達)がいるからだ。
新旧入り混じった魅力のつまった篠山の町。今後の地方都市の行き方のひとつのモデルを示す、貴重な例といえよう。

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