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阪神間 2018 (1)春の夙川・苦楽園口 [日本の町散歩(近畿)]

阪神間といわれて、他地方の人ならタイガースや工場地帯を連想してしまうかもしれないが、ここでは西宮市から神戸市東部にかけて、六甲山麓に連なる郊外住宅エリアを指す。すなわち、武庫川、西宮、夙川、芦屋、岡本、御影、六甲等の一帯である。この地域について、全国的に通用する気の利いた呼び名が無いことが惜しいが、それというのもここが、日本で最も住環境に恵まれ、文化的にも豊かで、かつ洗練された都市生活が繰り広げられている地域だからである。そんなことを書くと東京あたりの人は鼻白むかもしれないが、残念ながら田園調布や成城などの首都圏の高級住宅地は、規模や品格、それに街としての魅力の点でも阪神間に遠く及ばないし、広尾~白金一帯や松涛~代官山あたりのアップタウンは素敵だが、残念ながら六甲に抱かれ海を前にした阪神間のような自然環境の魅力はない。
2018年度はこの阪神間のキラ星のような街々の中から、四季に応じて四つの地域を選び、撮り歩こうと思う。「こんな場所に住みたい」と思う気持ちは若い頃に比べて薄れたが、この地域の成熟したアイデンティティを、関西人としてもっと多くの人に知ってもらいたい気持ちは依然強い。
第1回は、阪神間でも私が最も好きなエリア「夙川」「苦楽園口」を取り上げる。

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卯之町 2018 [日本の町散歩(中国・四国)]

卯之町(うのまち)は、南予地方の山中にポツリとある小さな町。昔ながらの宿場町風情を残す町並みが有名だが、それ以上に、不思議な異国情緒の残り香があるところが面白い。歩いていると、石畳の坂、現役の教会、アーチ型の窓を持つ旧学校等、まるで長崎ではないかと思わせるような風景が開けてくる。それもそのはず、ここはシーボルトの弟子でもあった二宮敬作が住んで拠点とした町であり、敬作を慕う多くの蘭学者が集った町でもあるのだ。シーボルトの娘であるイネも青春時代をここで過ごして日本最初の女医となったし、江戸幕府に追われた高野長英が潜伏していた時期もある。山間にありながらも、文明開化の貴重な脇役となって花開いた町なのだ。
いまの卯之町は、商店街を歩く人も少なく、賑わいはすっかり遠のいてしまった。しかし、いまも卯之町教会の十字架は空高く聳え立ち、風にそよぐ棕櫚の木が町に彩りを添えている。

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