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彦根 2019 [日本の町散歩(近畿)]

彦根には20代の頃一時期仕事で通っていたこともあって、ろくに興味も抱かずに来たが、訪れてみると実際大した町である。井伊家の城下町として幕藩体制下で重要な位置を占めたことは知っていたが、その城下町風情をここまで楽しめる町であるとは思っていなかった。有名な「夢京橋キャッスルストリート」「四番町スクエア」は、平成の世に再開発された商店街だが、テーマパーク然として浮いているのかと思いきや、いまや街にも溶け込んで文句なく楽しいし、街の北西に伸びる「花しょうぶ通り」商店街は、通り全体が伝建地区であり、まさに江戸時代からの花街であったろう雰囲気を今に伝えてくれる。両者の間にある「ひこね銀座」「本町通り」は、ちょっと落ち目の昭和の繁華街だが、これはこれで面白い。栄えているところ、さびれているところ色々含めて、これだけ商店街の多い町も珍しいのではないか。そしてそれらの背後、芹川までの間にある旧足軽屋敷群の一帯の、しっとりと落ち着いた風情。「久左の辻」(銀座町)界隈の裏通りの変化に富んだ密やかな表情。いずれも路地歩きにはうってつけのエリアだ。
城のみならず、城下町にもこれだけ様々な要素を取り揃えて観光客を楽しませる演出力は、特筆に値する。いわゆる「ゆるキャラ」ブームには鼻白む私だが、「ひこにゃん」すらこの町の企画力の現れに思えてくる。

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