SSブログ

郊外から。 ~(1)大阪近郊 [日本の町散歩(近畿)]

都市郊外という場所に、強く惹かれた時期があった。

人間が、土地を蹂躙し、破壊し、収奪し、
しかしそれでも何ものにもなれない、弛緩した場所。
名前のない土地。
顔のない土地。
宙ぶらりんな場所。
通過するだけの場所。

そこで、人は嘆き、さまよい、幸せの幻想を夢見る。
そこからはもはや何も生まれえないことを
うすうすはかんづきながら。

そんな生もある。

20代の終わりごろ、
やはり宙ぶらりんだった私には
そこはとても居心地がよく、
そしてなぜか、とても美しい場所に見えた。


FWosakasubRG050(1).jpg

大阪府吹田市古江台


FWosakasubRG046(1).jpg


FWosakasubRG039(1).jpg

大阪府吹田市古江台


FWosakasubRG064(1).jpg

大阪府大阪狭山市東池尻


FWosakasubRG090(1).jpg

大阪府堺市陶器北


FWosakasubRG088(1).jpg

大阪府堺市東山


FWosakasubRG102(1).jpg

東大阪市西鴻池町


FWosakasubRG110(1).jpg

東大阪市鴻池徳庵町


FWosakasubRG109(1).jpg

東大阪市鴻池徳庵町


FWosakasubRG024(1).jpg

大阪市東淀川区(赤川鉄橋)


FWosakasubRG079(1).jpg

兵庫県川西市大和西


FWP1000157(1).jpg

大阪府大阪狭山市狭山


FWP1000154(1).jpg

大阪府大阪狭山市東野西


FWP1000255(1).jpg

大阪府堺市南区晴美台


FWosakasubRG097(1).jpg

大阪府堺市東区南野田


FWosakasubRG092(1).jpg

大阪府大阪狭山市池ノ原



FWosakasubRG066(1).jpg

大阪府河内長野市小山田



私は、幼少期を大阪の南郊地域で過ごした。
そこは、今考えると決して環境のよいところではなかった。
工場地帯のばい煙で空はいつも薄黒く、道路にはダンプカーが行き交い、川はヘドロで粘り、もはや流れているかどうかも分からない有様だった。

しかし、子供の私には、そこはワンダーランドだった。
空地の金網をやぶり、キリギリスを追った。
宅地造成中の作業員の目をごまかして、秘密基地を作った。
神社のさい銭をちょろまかして、アイスクリームを買った。

ヘドロの川にそって、どこまでも自転車を駆った。
さかのぼったり、河口にむかったり、日が暮れるまで家に帰らなかった。
河口まで行くと、工場地帯の煙突が怖かった。
夕闇にまみれ、もう生きて帰れないと思ったそのとき、
下り電車が、河口の鉄橋をガランガランと通過していった。
夕方の帰宅客を満載したその電車は、とてもキラキラして見えた。

FWP1000192(1).jpg

大阪市住之江区(阪堺大橋)


FWosakasubRG013(1).jpg


FWosakasubRG011(1).jpg

大阪市西淀川区西島


FWosakasubRG007(1).jpg

兵庫県尼崎市戸ノ内


FWosakasubRG015(1).jpg

大阪市此花区伝法


撮影:2005年4月~2008年5月>
本文:2010年8月

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。