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鞆(鞆の浦) 2013 [日本の町散歩(中国・四国)]

鞆は瀬戸内でも古代から潮待ちの港としてとくに栄えた地である。万葉集にもその名が登場するというから並みの歴史ではない。平安・室町時代から江戸時代にかけても、朝鮮から日本への使者は決まってこの鞆に寄港し歓待を受けるのが通例であったといい、その迎賓施設の跡も今に残されている。
現在の鞆の港およびその周辺市街は、主に江戸時代に形作られたものというが、その頃から区画や街路は殆ど変化がないばかりか、当時の港湾施設である「常夜燈」、「雁木」、「波止場」、「焚場」、「船番所」のすべてがそのまま残っている。
もちろん今の鞆は近隣の走島と仙酔島へ向かう定期航路が発着するほかは、時代に取り残されたような小さな漁港といっていい場所である。私はここを2004年の夏に初めて訪れているが、歴史遺産としての魅力はあれど、静かでなんだか色褪せたような町だという印象を持ったものである。
しかし、それからさらに10年近くが経ち、いつの間にかその古さがゆえにスポットライトがあたる時代になってきた。今回ふたたびここを訪れてみると、町には気の利いたお店や施設も増え、訪れる人の数も増えて、かつてよりもずっと生き生きとして見え、私は印象を新たにした。

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