SSブログ

中国のいま [日々のよしなしごと]

中国で大地震が起きたとき、私は、四川省のとなりの省、陝西省の西安市にいた。

震源からかなり離れているのだが、それでも大きな横揺れが数分続いた。

街に目立った外傷はないのだが、
地震など生まれて初めて経験する当地の人達にとって、揺るがないはずの大地がゆさゆさ揺れるとは、
晴天の霹靂以上のショックだったようだ。
あれから数カ月たった今も、眠れないとか、思い出すと震えが止まらないという中国人の友人がザラにいる。

それにしても、今回の地震ではいろいろ考えさせられる。


私の今の勤務場所である某大学内でも、寄付コーナーが設けられ、
お金や物財の寄付に大勢の学生が詰め掛けていた。

自分の衣服を風呂敷いっぱいに包んで持ってくる学生も多かったし、
金銭的な寄付も、皆100元単位で入れている。

学生にとっての100元は大金のはずだ(日本の感覚で7000円くらい)。

その光景を見て、ある中国人は
「10年前なら考えられない光景。中国も少しは豊かになったのか・・」
と感慨をもらしていた。

また、TVの報道もすごい。
この前までオリンピック一色だったのだが、今はほとんどが地震関連。
冷静に事実のみを伝える報道番組もあるがそれよりも、
「頑張れ四川」「頑張れ中国」という標語をかかげたチャリティ色の強いものが多く、
この地震を逆手にとって人民団結精神を鼓舞しようという当局の意図も見え隠れする。

また、今回、日本の救援隊がいち早く現地入りしたことが、かなり大々的に報道されているのにも驚く。

「日本救援隊の奮闘」とドキュメント仕立てで毎夜連続で放映されているくらいだ。
いつもは「日本=野蛮」などのイメージ付けにいそしむ当局だが、どういう風の吹き回しなのか。。。

昨夕、お客様企業の接待をかねて、たまたま四川料理店へ行った。
いつもはそれほどサービスのよくない店なのだが、
この日、うちのテーブルを担当してくれた女性は本当に甲斐甲斐しく私達の面倒を見てくれた。

こちらが感心していると、その女性は私達に向かって、もじもじしながらこう言った。

「今回の地震で、私の故郷は大きな被害を受けました。
そこに、日本人が真っ先に救援に駆けつけてくれました。本当に感謝しているんです。有難うございます。」

そして、ペコリと頭を下げた。

私達はみな、なかなか口を開くことができなかった。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

母娘逃走 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。